はじめに
エンジニアに限らずキャリアのステップアップに伴い、業務の影響範囲が広がっていくものと思います。
個人で成果を出していたものがチームになり、組織に変わり、会社全体となっていくと、自然とステークホルダーが増えてマルチタスクも抱え込みがちです。
弊社のエンジニアとの1on1の中でも同様の事象が発生し、「マルチタスクが増えてきてタスク管理が難しくなった。何か良い方法はないか?」という質問をいただきました。
私が三年ほど継続している方法で、この場で実例を持って紹介したいと思います。
事前に保険をかけておくと、これから紹介するやり方が正解というわけではないですし、もしもっと良いやり方があるようであれば、また記事として投稿したいと思っています。
タスク管理の目的とは
まず本編に入る前に、タスク管理をすることで「何が実現できていれば良いのでしょうか?」
1. タスクの抜け漏れをなくしたい 2. タスクの関係者を明確にしたい 3. 優先度を可視化したい
ぱっと思いつくのはこのあたりですが、一般的には「これからやるタスク」に注目しがちかなと思っています。 これからは「これまでやってきたタスク」にも視野を広げてみてください。
4. タスクのアサインメントが適切か振り返る
タスクの性質や粒度を理解する
弊社ではスクラム開発を採用していて、プロジェクトのタスク管理にJiraを活用しています。
一方で、マルチタスクのステークホルダーから依頼されるタスクのすべてがここに集約することはできません。
プロジェクトに関係のない「社内イベントの準備」や「経理申請」といったタスクを作成しstorypointを割り振ることもできますが、開発スコープの計画が崩れる上チームの生産性はよくわからなくなってしまいます。実際にプロジェクトへ貢献するタスクのみ
をJiraでは管理すべきです。
また、そのタスクが短期・中長期に終わらせられるものかどうかも重要です。 1日1回しか確認しないツールで時間単位のタスクを管理したとて、意味はありません。
本編
中長期のタスクはTODOアプリに集約しましょう
中長期のタスクは期間が不定であることが多いです。カレンダーで管理しても良いのですが、 未来日に設定してあると直前まで気づかずに炎上してしまうのと、期間が変更されるのに合わせてタスクを移動させるのは面倒です。
ちなみに、私はNotionでタスク管理しています。
正直カンバン形式であればなんでもいいです。
注意点は2点です。基本は進捗が可視化されていればOKだと思ってます。
- 優先順位の高いものを上へ
- 対応中のタスクは1つまで
短期解決のタスクはカレンダーに集約しましょう
マルチタスクになるということは、イコール他のメンバーとのMTGが増えるということです。 弊社ではGoogle Workspaceを利用しているため、MTGのほとんどはハングアウトです。
これに、「個人が実施しているタスク」を追加しましょう
予め作業時間として確保したいのであれば、ある程度未来時間に予定を入れても問題ありません。
1日1回カレンダーを見てみて、穴が空いてないか確認します。 空いているってことはぼーっとしてる時間があったってことでしょうか?そんなことはない、きっとなにかしていたはずです。
カレンダーに色ラベルをつけましょう
モザイクがかかっていますが、やたらとカラフルなカレンダーに見えますね。これはカレンダーに色ラベルをつけているからです。
色ラベルを使用してカレンダーの予定を管理する - パソコン - Google カレンダー ヘルプ
是非全てのタスクに色ラベルをつけていってみてください。そして、週次で時間の分析情報を振り返ってみましょう。
私はかけだしエンジニアリングマネージャーなので「どのプロダクトにどの程度コミットメントしているか」の割合を見ています(モザイクがかかっているのはサービスごとの時間)。 ここにかける時間が減ってこれば、手が離れても自走できているチームということだなという目安になります。
場合によってはマネジメントに切り口によってラベル付するのも良いかもしれません
- ピープルマネジメント
- テクノロジーマネジメント
- プロジェクトマネジメント
- プロダクトマネジメント
あとはエンジニアであれば
- フロントエンド開発
- バックエンド開発
- インフラ開発
とか、開発プロセスでもいいかもしれないですね。
- 設計
- コーディング
- 分析
- 企画
何の切り口で見るべきかは、「自分が意識しないといけないこと」に合わせてラベルを更新していけばよいと思います。
つけられるラベル数には限界があるのでそこも注意が必要です。
所感
カレンダーでのタスク管理は、元々エンジニアリングマネージャーにはじめてなったときに「タスクの棚卸し」が目的でした。
実際には自分の目指すキャリアにどれだけ近づけられるか?という観点を持つことができるツールとして役立てています。
また、それだけでは中長期のタスクがどうしてもカバーできない(忘れてしまうw)ので、別のToDOアプリを採用していますが、 Google Workspaceやカレンダーでそれに代替する機能が今後出てくれると嬉しいなと思います。